来日1年、日本語はN4程度。東京の高校受験に向けて、何を準備すればいい?

日本に来て1年。少しずつ日本語は話せるようになったけれど、高校受験に間に合うでしょうか?

来日して間もないお子さんの高校進学について、このような不安を感じる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本語がN4程度の場合でも、高校進学に向けて検討できる選択肢はあります。ただし、現在の日本語力だけで志望校を決めるのではなく、受験できる制度や教科の理解度、入学後の学習環境を確認しながら準備を進めることが大切です。

今回は、東京都の高校受験を中心に、準備のポイントをご紹介します。

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「N4程度」だけでは、受験への対応力は分からない

N4は、基本的な日本語を理解できる段階の目安です。しかし、同じN4程度でも、会話が得意な子、漢字が読める子、自分の考えを文章にすることが苦手な子など、得意・不得意は異なります。

高校受験に向けては、次のような力を個別に確認する必要があります。

・問題文を読み、何を答えるのか理解できるか
・質問を聞き、自分の言葉で答えられるか
・理由や経験を添えて、自分の考えを書けるか
・数学や英語など、中学校の学習内容を理解しているか

例えば、中国で学んだ数学の内容は理解していても、日本語の文章題になると解けない場合があります。その場合は、数学の復習に加え、問題文に出てくる日本語を学ぶことが必要です。

「日本語が分からない部分」と「教科の内容が分からない部分」を分けて確認することが、準備の出発点になります。

まずは、利用できる入試制度を確認しましょう

東京都立高校には、一般入試のほかに「在京外国人生徒等対象の入試」があります。

2027年度の案内では、日本語指導が必要で、入国後の期間など一定の応募資格を満たす生徒が対象とされています。検査内容は作文と面接で、それぞれ日本語または英語を選択できます。実施校は限られているため、希望する学校で利用できるかを確認する必要があります。

ただし、「来日1年だから必ず受けられる」「N4に合格していれば出願できる」というわけではありません。 来日時期、これまでの学校歴、本人や保護者の住所なども含めた応募資格の確認が必要です。

2027年度入試に向けては、東京都教育委員会が事前応募資格確認を案内しています。対象となるご家庭は、中学校の先生に相談し、予約や必要書類の準備を早めに進めましょう。

また、私立高校を検討する場合は、外国人生徒の受入れや出願条件、試験科目、日本語力に関する条件を、各校の募集要項で確認してください。

一般入試では、日本語に関する配慮も確認を

都立高校の一般入試には、日本語指導を必要とする生徒等への配慮があります。

2027年度の案内では、一定の条件を満たす希望者について、共通問題へのひらがなのルビ、辞書の持込み、検査時間の延長などが示されています。利用できる配慮は入国後の期間などによって異なり、申請が必要です。

ルビがあれば漢字は読めても、言葉の意味や文章の内容まで分かるとは限りません。制度を確認すると同時に、実際の問題を使って「どこで困るのか」を把握しておきましょう。

日本語の勉強と受験準備は、並行して進めましょう

「まずN3に合格してから受験勉強を始めよう」と考えると、作文や教科の対策を始める時期が遅くなる可能性があります。

日本語学習を続けながら、志望校の試験に必要な力を少しずつ育てていきましょう。

作文は、短い文章から始める

最初から長い作文を書く必要はありません。

例えば、「高校で頑張りたいこと」をテーマに、次の順番で書く練習をします。

・何を頑張りたいか
・なぜ頑張りたいか
・そのために何をしたいか

まずは短くても、自分の考えが相手に伝わる文章を目指します。慣れてきたら、具体的な経験を加え、志望校の出題形式や字数に合わせて練習していきます。

面接は、答えの丸暗記で終わらせない

志望理由や中学校で頑張ったことを準備するだけでなく、「なぜですか」「具体的に教えてください」と聞かれたときにも答える練習が必要です。

難しい言葉を無理に使うよりも、自分が理解している日本語で、考えを伝えられることを大切にしましょう。質問が聞き取れなかったときに、聞き返す練習も役立ちます。

教科の学習では、問題文の日本語も身につける

数学の「求めなさい」「最も適切なものを選びなさい」、理科の「変化」「条件」など、学校の問題でよく使われる言葉を確認します。

母語で理解できる内容を足がかりに、日本語の教科用語や問い方に慣れていくと、すでに持っている学力を答案に表しやすくなります。

志望校は、入学後の学びやすさも見て選びましょう

高校選びでは、合格の可能性に加えて、入学後に授業を理解し、学習を続けられる環境かどうかも大切です。

学校説明会や個別相談では、日本語の学習支援、授業で分からないときの相談先、進路指導の体制などを確認しましょう。通学時間や学費、本人が学びたい内容も含めて考えることが必要です。

また、日本の中学校に在籍している場合は、定期テストや提出物など、日々の学習にも取り組みましょう。志望校・選抜方法に応じて、調査書がどのように扱われるかも中学校の先生と確認しておくと安心です。

今の力を整理することから、準備を始めましょう

来日1年で高校受験を迎える場合、慣れない学校生活と日本語学習、受験準備を同時に進める大変さがあります。

だからこそ、「日本語がまだ十分ではない」という不安だけで判断せず、受験資格、試験内容、教科の理解度を一つずつ確認することが大切です。

日晴塾では、お子さまの日本語力や学習状況についてお話を伺い、目標に向けて何を優先して学ぶか、一緒に考えていきます。東京での高校進学に向けて、何から始めればよいか迷っている方は、ぜひご相談ください。

入試制度の記述は、2026年10月時点で公表されている2027年度東京都立高校入試の情報に基づきます。出願に際しては、東京都教育委員会および各志望校の最新の募集要項をご確認ください。

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