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日本の中学校で学ぶ「国語」とは?

日本の中学校では、すべての生徒が「国語」という教科を学びます。

国語の授業では、日本語を正確に読み書きし、論理的に考え、自分の考えを表現する力を育てることを目的としています。その内容は幅広く、現代文、漢字、文法、そして古典まで多岐にわたります。この記事では、それぞれの分野について詳しく紹介します。

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1. 現代文の読解 ― 多様な文章から読み取る力を育てる

現代文の授業では、小学校で学んだ物語文・説明文・論説文の読解をさらに深め、中学校ではより多様なジャンルの文章を扱うようになります。たとえば、随筆、小説、評論、新聞記事、パンフレットなど、さまざまな目的や形式の文章を読み取ります。

また、文章の主旨、構成、作者の意図を正しく理解する練習を繰り返すことで、批判的思考力や要約力も育まれます。授業では選択肢のある読解問題だけでなく、自分の言葉で答える「記述問題」や「小論文」の練習も重視されています。

このような訓練は、ただ読める・書けるだけでなく、自分の考えを他人にわかりやすく伝える力を身につけることにつながります。

2. 漢字と文法 ― 正しい日本語を使いこなす力

■ 漢字の学習

中学校では、小学校で学んだ1026字の漢字に加えて、新たに1130字を学びます。つまり、合計で2000字以上の漢字を習得することになります。これは、新聞やニュースなどで一般的に使用される「常用漢字」にほぼ相当します。

漢字の読み書きに加え、熟語の使い方や、文脈に応じた適切な言葉の選び方も学びます。

■ 文法の学習

文法の学習では、日本語の文の成り立ちや単語の種類(動詞、名詞、形容詞など)、文節の関係、助詞の使い方などを体系的に学びます。また、敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の使い分けや、場面に応じた適切な言葉の選択など、実生活で役立つ言語能力も鍛えられます。

3. 古典の学習 ― 日本文化の理解を深める

中学校の国語では、現代文だけでなく「古典」も学習します。日本の大学入試にも頻出するため、多くの生徒が苦手意識を持ちつつも、力を入れて学習する分野です。

古典の学習は、主に以下の3つに分類されます。

■ 古文(平安〜江戸時代の日本語)

古文では、昔の日本語で書かれた文章を読む練習をします。たとえば『枕草子』や『源氏物語』の一節などが教材になります。学習内容には以下のようなものがあります。

✅ 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す
✅ 主語を正しく読み取る
✅ 現代語訳を行う
✅ 時代背景や文化を理解する

■ 漢文(中国古典文学)

中国語に近い文体ですが、漢文には独特の読み方(訓読)が存在します。たとえば「レ点」「一・二点」などの記号を使って日本語の語順に直して読む方法を学びます。その他にも、置き字や再読文字などの文法事項も重要です。

■ 詩・短歌・俳句

これらは「韻文」と呼ばれる形式の日本文学で、感情や風景を短い言葉で表現する芸術です。主な学習内容は以下のとおりです。

✅ 表現技法(直喩・隠喩・対句など)
✅ 語感やリズムの読み取り
✅ 句切れや季語の理解

短い中にも深い意味を込める日本特有の文学形式として、国語教育では重視されています。

まとめ

中学校の国語の授業では、日本語の基礎から応用、そして日本の伝統文化に至るまで、幅広い内容を学びます。現代文を通じて論理的思考力や読解力を養い、漢字や文法の学習によって正確な言語運用力を高め、さらには古典の学習を通して日本の歴史や文化に対する理解を深めていくという、総合的な学びが展開されています。

とりわけ、在日中国人のお子様と保護者の方にとっては、「古典」という分野は少しハードルが高く感じられるかもしれません。実際、日本人の生徒であっても古文や漢文に対して苦手意識を持つことは少なくありません。しかし、古典を学ぶことは単なる読解練習にとどまらず、日本人の価値観や美意識、言語の変遷を知る貴重な機会にもなります。

また、国語の力はすべての教科の土台とも言える存在です。文章を正確に読み取り、自分の意見を適切に表現できることは、数学の文章題や理科の記述問題、社会科の資料の読み取りなど、すべての学習活動に影響を与えます。さらに、将来的には進学試験や就職活動、社会人としてのコミュニケーションにおいても、国語力は欠かせない力となります。

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